English Site

吉田兄弟

  • home
  • information
  • profile
  • discography
  • R-room
  • K-room

R-room

  • WASABIとは?
  • メンバー紹介
  • 吉田良一郎
  • 元永 拓
  • 市川 慎
  • 美鵬直三朗

WASABI 新・和楽器の集合体

photo

津軽三味線、尺八、箏、太鼓の音が飛び交う空間──そこには日本人でさえもステレオタイプにイメージしがちな雅で叙情的な世界感だけではない、さまざまな音色の重なりから生まれる迫力あるグルーヴが広がる。この和楽器だけのユニット「WASABI」は吉田兄弟の兄・吉田良一郎が取り組む新しい試みである。

かつて自分が修業時代に尺八、太鼓、三味線だけで紡ぎだされる新しい音楽を聴いて感動したように「和楽器だけの音楽で“和の格好良さ”を追求し、若い人たちに伝えたい」と吉田はいう。そのために彼はまず、尺八の元永拓、太鼓の美鵬直三朗という同世代の奏者達とユニットを作り、生徒を対象にした学校公演の活動を3年前から始めている。先入観のない子どもたちはその分、反応がダイレクトだ。「学校公演では体験コーナーを設けていますが、体験した子どもたちは目をキラキラさせています。その後の演奏への反応もすごく良くなる」。きっかけと機会さえあれば、子ども達も興味を持ってくれる。そう感じる中でずっと「和楽器を紹介するのであれば、箏は欠かせない」と考えていた。そして2年越しのラブコールの末、市川慎が加わった。

和楽器とひと括りにいえども、民謡を奏でることの多い津軽三味線と太鼓が、三曲などの古典に取り組む箏や尺八と一緒に演奏する機会は少ない。ましてや津軽三味線と箏の組み合わせはめずらしい。ここに邦楽界も注目する和楽器ユニットが誕生した。

WASABI 四人それぞれが主役

photo

和楽器だけのインストゥルメントを「多くの人に親しみを持って聴いてもらうためには、インパクトとポピュラリティが必要だ」(吉田)。彼らの楽曲の多くは、キャッチーなメロディラインとコンパクトさを意識した構成になっている。

音色、奏法といった楽器の個性を一番よく知っているのはその奏者自身だ。四つの楽器それぞれの良さを存分に聴いてもらいたい。そこで、WASABIではメンバー全員が作曲に取り組み、民謡や三曲のフレーズを活かしたオリジナル曲を制作している。

さらに、曲は作曲者の意図を受けつつセッションを繰り返しながら構築されていく。その作業を元永は「バンドっぽい」と表現する。「三曲の現代作品はクラシックに近く、楽譜に細かい指示記号も全部書いてある。WASABIの音楽は自分から出てくるものを表現するので自由度が違う」のだ。市川は「民謡らしい音階の音楽に箏をどう入れるか。三曲をベースにした曲に津軽三味線が入るとどうなるか。想像以上の面白さがあるし、一緒に作業することによってより発展させたものができる」と感じている。主張しながらも、お互いを引き立てる。各々がキャリアを重ね、一奏者としてのスタイルを確立してきたこの四人だからこそできるセッションで、新しい音楽が生まれている。

WASABI 目指す場所

5歳で三味線と出会い若くしてメジャーデビュー、一人歩きする名前と自分の未熟さの狭間で悩み続けてきた吉田良一郎。海外で育つなかで日本人のアイデンティティを意識、日本の文化に強い憧れを抱き続けてきた元永拓。幼い頃は家元の家に生まれたことに反発、やがてギターを箏に持ち替え伝統の継承に使命を感じる市川慎。流派の創始者を祖父に持ち太鼓の音色とともに育つが、まったく違う道を歩もうとしていた美鵬直三朗。

バックグラウンドも携えた楽器も違う四人の奏者が「和楽器」という共通点で運命的に出会った。それぞれが自分の楽器の魅力にこだわりを持ち、多くの人、特に若い世代にその魅力を知ってもらいたいと強く願う。学校公演はライフワークとして勿論続けていくが、自分たちのゴールはもう少し先にあると思っている。「奏者としても大きくなりたい。日本でも、海外でも、日本の音楽だったら何を聴けばいい?という問いに“WASABIがいいよ”って言ってもらえるグループになりたい」と美鵬はいう。彼ら自身、WASABIにはその可能性があると確信しているのだ。“新・純邦楽ユニット”という最強の武器を持ち、唯一無二の存在として新しい扉を開こうとする彼らのこれからに注目して欲しい。

photo